2025/10/07
「秋バラ」
10月4日 雨。
高碕記念館の窓の向こうに、ピンク色の小さなバラが見えます。厳しい夏を乗り越えて、今は静かにひっそりと咲いています。秋バラには癒しの力があるのでしょうか。眺めていると、心がすっと落ち着きます。春のバラのような華やかさはありませんが、秋バラには、やさしく寄り添ってくれるような魅力があります。
カメリアガーデンでは、椿がたくさん蕾を付けて開花の準備を進めています。今日は、四季折々の花に出会えることの幸せを、改めて感じています。
今から80年前、高碕さんはどのような秋を過ごされていたのでしょうか。
当時の記録によると、旧満州(現在の中国東北部)に取り残された多くの日本人の避難や、生活支援に奔走されていたようです。終戦直後の混乱の中では、花を愛でるような心のゆとりなど、誰にもなかったのではないでしょうか。
朝からの雨も、正午を過ぎて止みました。庭に出ると、秋の風が心地よくて、まるでヴィヴァルディの『秋』が聞こえてくるようです。テラスの温度計は21℃。やはり秋の空気はいいですね。


