2025/08/20
「金の兜」
スマホのアプリを使って、花の名前を調べることがよくあります。アプリの正解率は100%ではないので、確認は現物とアプリが示す写真を見比べます。ところが先日、お世話になっている園芸店さんから、誤りのご指摘をいただきました。アプリでは、「キクイモモドキ」と判定された花でしたが、園芸店さんによると、この花は「ヒメヒマワリ」とのことでした。現物はキクイモモドキの写真によく似ていたものですから、私はうっかり花名を間違えてしまいました。運よく、ブログのアップ前だったので事なきを得ました。
高碕達之助さんが、何かを間違えたといった情報は、書籍などを見る限り見当たりませんが、高碕記念館の展示には「金の兜」の写真があり、次のような説明があります。
昭和初期、高碕さんと中島董一郎さん(キユーピーマヨネーズ創設者)が、みかん缶詰の将来性について話し合われました。中島さんは高碕さんに、「みかん缶詰は有望な商品になる」と話されましたが、高碕さんは、「みかんは、缶詰としてそれ程伸びない」との言葉を返されました。以後、中島さんはみかん缶詰の販売に努力され、数年後、目標数を達成し、更に生産数は増加しました。中島さんの予想通りになったわけです。この状況を目の当たりにされた高碕さんは、中島さんの洞察力に敬意を表し、「文字通り兜を脱ぎました」という意味で、高価な「純金製の兜」を手配し、脱兜状なる書状を添えて、中島さんに贈呈しました。この贈呈式は、昭和9年に、東京の丸ノ内ホテルで行われました。このようなエピソードには、高碕さんの何とも言えない潔さを感じることができます。
お盆が過ぎても猛暑は続いていますが、サルスベリの花は今日も元気に咲いています。雲雀丘に秋風が吹く気配はまったくありません。今夏の記録的な暑さは、はたしていつまで続くのでしょう。今日はブログを書いていて、冷たくて美味しい「みかんの缶詰」が食べたくなりました。

