2025/11/22
「南天(ナンテン)」
11月22日 晴れ
高碕記念館の南天の木は、真っ赤な実をたくさん付けています。南天は中国原産で、日本には平安時代に薬用として入って来たようですが、今ではすっかり日本の文化に根付いている植物です。日本語では、「難を転じる」という語呂合わせから、縁起の良い木として親しまれています。花言葉は、幸せ、良い家族、機知に富むなどです。
「機知に富む」といえば、その代表的な人物は高碕達之助さんではないでしょうか。
高碕さんは、その場面に応じて、「機知に富んだ」対応をされていたように思いますが、行動の根底には、高碕さん一流のコミュニケーション力を見ることができます。
LT貿易協定締結後のインタビューでは、日中国交回復について次のように語っています。
(NHK 歴史探偵「缶詰は見た日本近現代史」2022年2月放送より)
「私は、日中両国の人事が時々会って、お互い相手方の考えを考慮して話をすれば、おのずからこれは解決すると…、すこぶる手ぬるいようではありますけれど、それがやがては国交が回復する第一歩になるだろう。このように信じとります。」
高碕さんはどのような場面でも対話を大切にし、相手の考えを尊重して誠実に話をされていたようです。
雲雀丘を渡る柔らかな風に、南天の赤い実がまるで微笑んでいるようです。